【弁護士解説】発信者情報開示請求
発信者情報を開示するためには、3つの段階を踏んでいかなければなりません。
1 掲示板・SNS管理者に対して
発信者を開示して欲しい書き込みの「場」を管理している者に対して、発信者のIPアドレスを開示するよう求めます。
この手続きは、裁判所に対して仮処分を申し立てて行います。
裁判所が「発信者の情報を開示すべきだ」と判断すれば、発信者のIPアドレスを開示してもらうことができます。
しかしIPアドレスがわかっただけではまだ発信者が誰かは分かりません。
IPアドレスはマイナンバーのように一人一つの番号ではなく、同じ番号でも、時間や日にちによって違う人が使っていることがあるからです。
そこで、次の段階の手続きを取ります。
2 情報を保存するための仮処分
ISP(インターネットサービスプロバイダ)に対して、発信者が書き込んだ日時にそのIPアドレスを使っていた者の情報を削除しないよう求める仮処分を申し立てます。
第1段階を突破できていれば、この段階も問題なく突破できるでしょう。
IPアドレスを誰が使っていたかと言う情報は、数ヶ月程度で削除されてしまい、その期間を超えると誰が使っていたか分からなくなってしまいます。
情報が削除されるのを防止するために、この段階が不可欠となります。
3 発信者情報開示
ついに本命、発信者の住所氏名を調べる手続きです。
これはこれまでの段階のように仮処分ではなく、通常の民事訴訟として行います。
この手続きでは発信者の住所氏名の開示を求めていきます。
この手続きが終われば、発信者の住所氏名を開示してもらうことができます。
あとはこの発信者に対して損害賠償などの訴訟を用意していくこととなります。