【弁護士解説】プライバシー権

プライバシー権とは、「私生活上の事柄をみだりに公開されない権利」です。

法学的にはいろいろな発展系や諸説があるのですが、ネット上での表現としてみていったときに重要になるのは、やはり「私生活上の事柄をみだりに公開されない権利」としての問題です。

たとえば、誰だって私生活を世間に公開されることにいい印象は持ちません。

どうでしょう。

あなたが昨日何時に布団に入り、何時に眠り、何回寝返りを打って、何時に起きたとネットに書き込まれていたら、気持ち悪くないでしょうか。

しかもそこには恥ずかしい寝言の内容まで書かれているのです。

こういった私生活のことを公開されないという権利がプライバシー権です。

このプライバシー権が問題になるのは、政治家や芸能人本人またはその家族の私生活に関するケースが多いです。

プライバシー権の侵害と言えるためには、①私生活上の事柄について②自身の同意なく(みだりに)③公開されたと言えることが必要です。

公開というのは、不特定多数に対する発信と言い換えていいでしょう。

個人情報保護法などは、このプライバシー権の派生とも言える法律です。

この法律には、個人情報を収集する者に適切に管理する義務を課し、事前に同意を得た範囲での使用をさせるという規定があります。

これは、プライバシー権から派生した「自らの情報をコントロールする権利」としての考えを反映しています。

情報をコントロールするとはどういうことでしょうか。

それは、自身について誰にどの程度情報を渡すかを自身で決められる、ということです。「私生活上の事柄」であっても、私たちは時折SNSに書き込んでいます。

「恋人ができました」「結婚しました」などです。SNSによっては、誰がこの投稿を見ることができるか、個別に設定できるようにしているところもありますね。

こうしたことは、まさに「自らの情報をコントロールする権利」の表れとも言えます。